MBTIはなぜ流行ったのか?MBTIが流行った「本当の理由」

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いま若者の間で取り沙汰されているMBTI。

検索キーワードの人気度を調査するツールであるGoogleトレンドで調べてみると、ご覧の通り人気度が右肩上がりで伸びている状況です。

日本国内において、なぜこれほどまでMBTIが流行っているのか?MBTIの何が人々を惹きつける要因なのか?

私は流行り物には必ず「流行る理由」があると思っていまして、今回は日本国内でMBTIが流行った理由について考察していきたいと思います。

注意:
日本MBTI協会の声明でも注意喚起されているように、MBTIと16Personalitiesは本来別のものです。同じアルファベットで心理タイプを表現するものであるため、誤った認識のもとにMBTIと16Personalitiesを同一視する人が続出しています。そのため、今回の記事では便宜上MBTIと表現していますが、実態は16Personalitiesが流行った理由の分析となりますことご了承ください。

目次

MBTIとは

MBTIMyers–Briggs Type Indicator、マイヤーズ=ブリッグス・タイプ指標)とは、スイス人の心理学者ユングによって提唱された心理学的タイプ論をもとにして、アメリカ人のマイヤーズ親子によって提唱された性格分析の理論のことです。

MBTIにおいては、「興味関心の方向」「ものの見方」「判断の仕方」「外界への接し方」という4つの観点を総合的に分析し、「INFJ」「ESTP」などの性格タイプを診断します。

上述したように、現在日本国内においては16PersonalitiesとMBTIが同一視されている節があり、「MBTI=ネットで手軽に診断できる性格診断ツールのこと」だと誤って認識している人が非常に多いです。

そのため、今回の記事では便宜上「MBTI」と表現していますが、それは本来のMBTI協会が提供する自己分析のアセスメントのことではなく、16Personalitiesのことを指していると思ってください。

そもそも「流行る」とは何か

さて、日本国内でMBTIが流行った理由について分析する前に、まずは言葉の定義を明らかにしておきましょう。

そもそも「流行る」とはどういう状態を指す言葉なのか。辞書で調べてみました。

出典:コトバンク「流行る(ハヤル)」

上記の定義によれば、「流行る」とは時代の潮流に合致した何かがあって、世間一般で盛んに行動されることだと解釈できます。

ここでいう行動は一義的に定義できるものではなく行動全般なので、特定のモノを購入する、場所に訪れる、共通言語のように使われるなど色々あります。

また、「流行る」にも種類がさまざまあるなと思っていまして、大きく分けると以下の3パターンに分類できると思います。

1の代表例はタピオカ屋であり、2は高級食パン、3はスマートフォンやポケモンなどが当てはまるかと思います。

要は、同じ「流行る」でも人気度の持続度合いによって一過性の流行り物で終わるのか、我々の生活に深く根付く共通フレームになるのかという違いがあるということです。

そういう意味では、MBTIはまだ日本国内で取沙汰されるようになって数年程度のフェーズであるため、今後「MBTI」が人々の共通認識としてスタンダード化するかどうかは分からないというのが現状といえます。

MBTIはなぜ流行ったのか

では、ここからが本題です。

日本国内において、なぜこれほどまでMBTIが流行しているのか、その理由について分析していきます。

よく言われるのは、韓国アイドルが自身のMBTIについてメディアで発信する様子を見て、そのファン層がMBTI(正確に言えば16Personalities)を受けるようになったからだと言われていますが、それだけでは説明が不十分だと思っています。

なぜならば、MBTIが日本国内において流行った理由は、「KPOPアイドルの影響」と一言で片付けられるほど単純なものではないからです。

ここからは私の持論になりますが、MBTIが流行った本当の理由について考察していきたいと思います。

MBTIが流行した本当の理由

結論からお伝えすると、「日本国民が共通して持っているインサイト(欲求)に対してAISASのサイクルがうまく機能したから」というのが、日本国内においてMBTIが流行した理由だと思っています。

これだけ書くとなんのこっちゃという感じだと思うので、もう少し噛み砕いて説明します。

日本国民が共通して持っているインサイト(欲求)とは

まず、「日本国民が共通して持っているインサイト(欲求)」とは、大きく分けると2種類あります。

一つは、「特別感」を味わいたい欲求。2つ目は「自分の生き方を誰かに決めてほしい」という欲求です。

これらは年齢に関係なく多くの人が共通して持っているインサイトだと思っていますが、人生経験の少ない若者であればあるほどその傾向は顕著です。

前者はどこにでもいる「普通の」人間であるものの、他の人とは違う「特別な自分」でいたいという承認欲求のことを指していて、後者は「自分の生き方を決める」という本来は大変苦労が伴う行為を、自分が傷つきたくない、面倒なことは避けたいという思いから「あなたはこういう人だから今後こう生きたらいいよ」というお告げ的なものを有難がるという深層心理のことを指しています。

また、前者は社会状況に関係なく普遍的に人間がもっている欲求だと思いますが、後者は昨今のパンデミックや景気後退の影響により、社会に対して不安を抱き、心理的に依存する対象を求めたいという欲求が強まっていることも影響していると考えています。

参考:韓国のMZ世代は「MBTI」に依存、未来に対する悲観が影響?

AISASとは

AISAS(アイサス)というのはマーケティング領域で使われている消費者の購買行動のプロセスを表したフレームワークのことであり、単純に言えば、人々は何か行動を起こすときに、Attention(注意)→ Interest(関心)→ Search(検索)→ Action(購買)→ Share(情報共有)の流れを取ることが多いよねってことです。

特にインターネットやSNSが発達した現代社会においては、口コミによって情報が一気に拡散し、世間一般に認知されていくことが多くなっています。

実際、何十名の人に「MBTIを知ったきっかけ」についてアンケートしたところ、「インターネットやSNSで見た」という回答が結構な割合を占めていました。

まとめると、日本国内でMBTIが流行った本当の理由は、

  • 「特別な自分」でありたいという人間の根源欲求と「自分の生き方を決めたいが面倒なので誰かに決めてほしい」という逃避欲求が絡まって自己診断ツールが受け入れられやすい風潮が強まっていた
  • そんな中インターネットやSNSを通して16Personalitiesに出会い、耳聞こえの良い診断結果を見て「まさにこれは(自分が求めていた理想の)自分だ!」と錯覚を起こす
  • そこからMBTIに興味を持ちインターネットや書籍で文献を漁りながら、「自分はこういうタイプの人間だからこう生きれば良い」という盲信をするようになる
  • MBTI信者になった人が他の人に口コミで16Personalitiesを広める
  • 16Personalitiesを勧められた人が診断を受け、感動し、誰かにシェアする・・・以降その繰り返し

単純化するとこんな流れだと思っています。(実際はもっと複雑だと思いますが)

自己分析を現実逃避の手段にする人々

再三申し上げている通り、本来のMBTIとはMBTI協会が提供する自己分析のアセスメントのことであり、簡易的な自己診断でタイプを決めるものではなく、専門家のフィードバックとそれを踏まえた自己探求の繰り返しによって自己理解を深めるものです。

診断を受けるにはお金もかかるし、単純なアンケートだけで自分を完全に理解できるわけでも無い、いわば自己分析は途方も無い自己探求の旅なんです。

そういう意味では、「自分を手軽に理解する」なんてことは到底出来るわけではないし、むしろ長い人生を通して永遠に自己の在り方を見つめ続けること自体に意味があると私は思っています。

このまま行くと「沈みゆく船」になる日本社会において、誰かに自分の生き方を決め打ちしてもらって安心したいという欲求を抱くのはむしろ必然というか仕方ないことのような気もしますが、たかがアルファベット4文字の属性で人生決まるわけないでしょ、というのが私の持論です。

同じINFJだとしても人によって個体差があるように、実際のクラスターはもっと多様でグラデーションになっているはず。

盲目的にネットの自己診断を信じるのは危険なので、MBTIも16Personalitiesも、あくまで自己分析のための参考情報であるということは念頭においたほうが良いかと思っています。

まとめ

その真意を理解するのが極めて難しく、真理にたどり着くには途方も無い探求作業が必要になるという点では、MBTIは宗教や占いなどと近い性質があるんじゃないかと思っています。

MBTIという枠組みを通して自己・他者理解を進めたいという方は、ぜひMBTI協会の公式セッションを受けるか、専門書籍↓を手にとって勉強してみてください。

  • みもり

    練馬の森に住んでるINFJラボの編集長。 人材営業、広告運用者を経て現在はWebメディアの編集者として活動中。 幼い頃から些細なことでモヤモヤを抱えがちで、漠然とした生きづらさで悩んできました。自分と同じように「生きづらさで悩むINFJ」の心に寄り添うメディアを創りたいという想いから、INFJラボを立ち上げ。

    みもり
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