こんにちは。みもりです。
当サイト「INFJラボ」では、過去にINFJと仕事に関するコラムをいくつか執筆してきました。
最近では学生や20代の方の多くから、「INFJに向いている仕事は何なのか?」という質問を受ける機会が増えてきました。
そこで今回は、INFJに向いている仕事、つまり「天職」とは何なのかということについて考察をした結果を皆さんにシェアします。
(過去のアーカイブ記事はこちらからご覧ください)
INFJにとっての「天職」とはなにか
みなさんは、イソップ童話の『3人のレンガ職人』の話はご存知でしょうか。
ご存知無い方もいらっしゃると思うので、簡単にどんな話か要約します。
旅人がとある街を訪れた時、3人のレンガ職人に出会いました。
黙々とレンガを積み上げる様子が気になった旅人は、3人に「何をしているのですか?」と訪ねました。
すると1人目の職人は、
「そんなこと見ればわかるだろう。親方の命令で“レンガ”を積んでいるんだよ。暑くて大変だからもういい加減こりごりだよ」
と答えました。
2人目の職人は、
「レンガを積んで“壁”を作っているんだ。この仕事は大変だけど、金(カネ)が良いからやっているのさ」
と答えました。
3人目の職人は、
「レンガを積んで、後世に残る“大聖堂”を造っているんだ。こんな仕事に就けてとても光栄だよ」
と答えました。
3人の職人は、実質的にみればやっている仕事は同じです。
ですが、3人それぞれで仕事に対する目的が違って、1人目はやらされ仕事、2人目は金のため、3人目は自己実現のためにレンガを積み上げています。
このエピソードは目の前の仕事に対して高い目的意識を持とう、といった経営者の都合で美談として扱われる印象があるので個人的にはあまり好きじゃないのですが、あらためてこのエピソードを振り返ってみると、レンガ職人の仕事を「天職」だと思っているのは明らかに3人目の職人ではないでしょうか?
3人の行く末を想像してみると、1人目の職人は辞めろと言われなくてもいずれレンガ職人の仕事を辞めるでしょう。2人目の職人は満足する報酬がもらえなくなったら1人目と同じ道をたどるでしょう。一方で3人目の職人はどうでしょうか。
おそらく、多少労働環境が悪くても、報酬がほとんど得られなくても嬉々とした顔でレンガ職人の仕事を続けるのではないでしょうか?
このエピソードから分かることは、我々にとっての「天職」というものは、
1.誰かから与えられるものではなく、自分で見出したもの
2.報酬など外発的動機と関係なくモチベーションを保てるもの
3.趣味と同様に、それ自体を楽しみながら続けられるもの
という特徴をもっていると言えます。
個人的には1と2に関して注目をしていて、理想主義的な傾向が強い我々INFJタイプの人にとっては仕事はただ楽しいだけでは不十分であり、自分の仕事を通して社会を豊かにしたり、身の周りの人を幸せにしたりなど、なにか特別な「目的」が必要であるような気がしています。
言い換えると、INFJにとっての「天職」とは、「自分が強い使命感を持って、かつ楽しみながらずっと続けられる仕事」と定義できるのではないでしょうか。
なぜINFJは「天職」を見つけたがるのか
結論から言えば、人生が充実すると感じているからでしょう。
事実、仕事の満足度が高いことは、その人の幸福度に影響を与える因子です。
雇用形態や働き方によりますが、ほとんどの人は1日のおよそ1/3以上を仕事に捧げているので、「どうせ時間と労力を割くのであれば、楽しく仕事がしたい」と考えている人は多いです。
物質的に貧しかった昔と比べて、現代は「生きるためにはたらく」人の割合は少なくなってきています。
仕事は飯を食うためのものでは無くなってきている状況の中で、「ライスワーク」ではなく「ライフワーク」を求める人が増えており、仕事に対して「特別ななにか」を求めて転職を繰り返す人もいます。
それ自体が良いのか悪いのかは本人にしか判断できませんが、少なくとも自分が「天職」だと感じることのできるような、理想の仕事を追い求める欲求は年々高まっている気がします。
参考:リクルートマネジメントソリューションズ「コーリング(天職)は充実した人生をもたらす」
「天職」は見つけたほうがいいのか
とはいえ仕事は人生の一部でしかないし、ギャラップ社の調査結果からもわかるように、仕事の満足度と人生に対する満足度のあいだにはある程度の相関しか無いことがわかっています。
何が言いたいかと言うと、人間の幸福は生まれ持った気質や人間関係など、仕事以外の因子も含めたとても複雑なものであって、自分の仕事が「天職」でないからといって、必ずしもその人が不幸かというとそんなことも無いのです。
私の解釈としては、仕事を「天職」と思い楽しみながら無心で取り組めるのであればそれに越したことはないけれど、仕事を「天職」と思えるかどうかはめぐり合わせの部分も大きいし、幸せになる上での十分条件であって必要条件ではないと思うのです。
「天職」は運良く見つかればラッキー。なくても別に幸せには大きく影響しない。
こう考えるのが精神衛生的にも合理的な気はします。
INFJが「天職」を見つける方法はあるのか
冒頭で発見した「天職」の3つの特徴を再度振り返ります。
1.誰かから与えられるものではなく、自分で見出したもの
2.報酬など外発的動機と関係なくモチベーションを保てるもの
3.趣味と同様に、それ自体を楽しみながら続けられるもの
これを見ると、3は比較的容易に見つけられると思っていて、シンプルに自分が普段楽しみながら時間を使っていることをリストアップすれば良いだけです。
一方で、1と2は少し難しい部分もあると思います。
というのも、趣味はその行為や体験自体を楽しむことが目的であって、なにか明確な目的意識があってやっているものではありません。
一方で「天職」は、ご紹介した3人のレンガ職人の逸話のように、仕事自体が楽しいだけでは不十分で、仕事に対して強い目的意識や報酬意識があることが必要だと思っています。
理性で考えていまやっている仕事に対して目的意識を持つことは出来るかもしれませんが、それは外発的な動機であって、自分の心の底から生まれた内発的な動機ではない。
じゃあ内発的な動機はどうやって生まれるんだという話なのですが、これは一様に説明するのが難しい(というかめちゃくちゃ長くなる)のでここでは言及を控えます。
(内発的動機について詳しく勉強したい方は以下の書籍を読んでみてください)
結論、我々INFJタイプの人が天職を見つける方法があるのかと言うと、まずは自分が普段時間を捧げている行為であったり体験を洗い出して、その共通点を見つけるのが第一のステップな気がします。
まとめ
イデアリストの傾向があるINFJタイプの人にとっては、自分にとっての「天職」が見つからない状況にフラストレーションを感じる人もいるかもしれませんが、本文でお伝えしたように、仕事に対する満足度は人生の満足度にはさほど影響しません。
もしこの記事をご覧になっている方の中で、「仕事は天職にしないといけない」という思い込みをしている方がいるとしたら、その認識がご自身を苦しめている要因かもしれません。
仕事は人生の一部であって、人生は仕事だけでつくりあげられるものではありません。
自分に架している十字架を捨てて、自分が好きだと思うことに打ち込むほうが、ずっと有意義じゃありませんか?
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